また、「産業-」「農業-」のように、従来の思想や技術、方式がひっくり返る様を示す語尾にも使われる(なお、既存の技術や発想から飛びぬけた発展を革命的とも言う)。
「革命」の語は近年はやや過激な印象を与えるため、最近の事象では以前ならば革命と称しうるような出来事でも「民主化運動」などという言い方がされることが多い。
概要 [編集]
西洋における「revolution(革命)」概念 [編集]
英語ではrevolutionだが、revolutionは古くは「回転」(「再回転」)という意味であり、古きよき(現在よりも人々が清らかであろう神による創世により近い)時代へ戻る政治改革の意味として使われていた(古き良き法)。歴史の進歩という観念が生まれてから、新しい体制への大規模な改革という意味が一般的となった。即ち、この立場からは「半回転」して新体制に革(あらた)まることがrevolutionであり、「もう半回転」して元に戻ってしまう原義のrevolutionは、counterrevolution(反革命)として否定的に評価される。しかし、ハンガリー動乱(英:Hungarian Revolution)のように当時は反革命として否定されていても、後に革命であったと再評価される例もある。また、クーデターを保守革命とすることもある。
「保守革命」を参照
東洋における「革命」概念 [編集]
革命は、必ずしも西ヨーロッパ諸国の市民革命、共和制国家を樹立した革命、東ヨーロッパ諸国の民主化革命ばかりを指すのではない。しかし、このことはrevolutionの訳語として「革命」が選択されたという経緯があり、それゆえ、古来からの伝統的な語としての「革命」と訳語としての「革命」との間で混乱があるといえる。しかしこれは翻訳語全般にわたる問題である。
語源 [編集]
「天」も参照
古代中国では易姓革命など東洋での王朝交代一般を指す言葉であった。東洋においては革命と王朝交代はほぼ同一の概念であったが、西洋においては革命が起きなくても王朝が交代することもあり、革命と王朝交代は同一の概念ではない。
そのため、西洋では「反革命」と表現されるものも東洋では「革命」とされることもあり、現在の「革命」という語が進歩的かつ革新的、現代的なポジティヴなイメージばかりの意味で強調されるのは必ずしも正しくない。
讖緯説における革命概念 [編集]
また未来予言の方法として発展した讖緯説においては、革命は緯書(予言書)に予め記載されており、特に辛酉の年には必ず革命が発生して政治・社会の変革を伴うと唱えられた。これに対して有徳の君主は緯書の定めた通りに行動することによって易姓革命などを未然に回避出来ると考えられた。その一環として辛酉、後には甲子の年にも改元が行われて君主が率先して政治・社会の変革の意志を明らかにすることが行われた(「辛酉革命」・「甲子革令」)。
日本における革命 [編集]
中国大陸は多くの革命を経験しており、また朝鮮半島やベトナムでも革命は起こっているが、それらに比して日本では、有史以来革命が起こったことがないとされている。江戸時代の山崎闇斎(『泰山集』)や水戸学の藤田東湖(『弘道館記述義』)のように、日本は天照大神以来の万世一系の皇統を持つ唯一無二の国家であるとして、易姓革命を否定して国粋主義を高揚させる逆説的な論理で用いられることもあった。ただし、クーデターの類とされるものは多数起きており、その中には他国の革命に相当するほどの劇的な政治体制の変化が起きたこともある(壬申の乱など)。
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